民間の奨学金は主に財団(基金)を設立するかたちで行われますが、全国的には減少傾向にはあるものの、相当数の財団が独自に奨学金募集を行っています。
「××財団奨学金」「××奨学(助成)基金」「××記念奨学金」といった名称の制度が多いようです。
これらの財団では、篤志家の意思にもとづく寄付等や、民間企業が出資した資金(基本財産)を核にファンドを設立し、それを運用しながら将来の奨学金の原資を生み出していくのが、基本的な仕組みとなっています。
しかしながら、ここ十年来の低金利で運用環境がよくないこと、また運営主体が民間企業の場合は事業環境の厳しさなどもあり、財団法人側として積極的に募集活動を行いたくてもなかなか思うようにいかない...というのが、昨今の状況のようです。
したがって、募集人員は必然的に少数に限られますし、また奨学金の大半が返済義務のない「給付」である点も魅力なためか、奨学生に選ばれるための競争率もきわめて厳しくなっています。
民間実施のため、当然ながら奨学金の形態(給付か貸与か)・募集時期・募集対象(申込資格)・募集人数等は、財団によってもまちまちとなっています。
総じて高校生・大学生を対象とし、在学期間中に返済の必要のない奨学金を、一時金や月額給付金のかたちで給付するやり方が主流です。
募集窓口としては、上に述べた事情もあって、財団があらかじめ指定した高校・大学・大学院の窓口を経由し、しかも推薦枠や選考を通じ、最初から人数を限定して行うケースが大半のようです。
また募集する財団側の総枠が限られているために、学校として推薦したにせよ、最終的に不採用となるケースもあるようです。
したがって、まずは志望する高校や大学の学生課などの担当窓口で、民間奨学団体の募集枠の有無について問い合わせてみる必要があります。
その場合、 大学・大学院が独自に設けている奨学金制度とは、どのようなものか。 でもご紹介した、志望する大学や大学院側が独自に設けている奨学金・入学金や授業料の免除・減免制度の有無についても、あわせて確認しておきましょう。
また応募資格が限定的となりますが、特に有名な民間奨学金として、交通事故による保護者の死亡・後遺障害のために経済的に就学が難しくなった高校(高専)・大学(短大)・専門(専修)学校生に対して奨学金を無利子で貸与する「財団法人 交通遺児育英会」、そして交通事故以外の病気・災害などで保護者を亡くしたり後遺障害のため働けなくなったことにより経済的に苦しい家庭の高校(高専)・大学(短大)・専門学校・大学院生に対して、奨学金を無利子で貸与する「あしなが育英会」があります。
公益財団法人 交通遺児育英会
あしなが育英会
新聞社が実施する、新聞販売所で配達・集金業務を行いながら、通学のための住居と給与、そして奨学金を得る「新聞奨学生(新聞奨学会)」の制度もあります。
新聞社や募集地域ごとに申込条件や募集内容が異なっていますので、個別に照会することが必要です。
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