奨学金とは、進学したいと考えている学生や進学の能力がある学生が、おもに家庭の経済的な理由から進学・修学をあきらめることの無いよう、民間団体・企業・大学・自治体などが主体となり、進学・修学に必要な金額の全額ないし一部を、学生本人に貸し付ける(あるいは給付する)ことによって支援するものです。
原則的には「(貸付の場合には)学生本人が借りて、卒業後に本人が返済する」のが、奨学金のルールです。
奨学金制度は無利子貸与型・有利子貸与型・給付型と、いくつかの種類があります。加えて実施主体も、日本学生支援機構以外にも、地方公共団体・民間の奨学団体・大学等があります。
2022年現在においては、「大半の奨学金は、基本的に返済が必要(貸与型)」なものと、保守的に考えておくほうが安全でしょう。
ただし返済にあたっては、貸付条件として「無利子」か「有利子」かで、最終的な返済総額が大きく異なってくるので、申請の前には返済計画をシミュレートした検討が必要です。
ちなみに日本の公的な奨学金制度は、そのおよそ7割が「有利子」の貸付(貸与型)となっています。
また奨学金支給総額の9割を「日本学生支援機構」の奨学金が占めています。
これまで「日本学生支援機構」の奨学金は、そのすべてが貸与型となっていました。しかし卒業後の返還負担が高いこともあって2012年度をピークに、貸与型の受給者率は、減少に転じています。
このような社会情勢の変化を受け、日本学生支援機構においては2020年4月から、高校・大学・専門学校等の授業料減免と給付型奨学金を核とした「修学支援新制度」が実施されています。
・給付奨学金(返済不要) 日本学生支援機構
・【PDF】給付奨学金に関するQ&A 日本学生支援機構
奨学金制度の本来の趣旨は上で述べたとおり、基本的に「学費の丸抱え」でなくその「一部支援・サポート」になります。
したがって、奨学金はあくまで支援費用としてとらえ、自己資金としてそれでも不足が見込まれる場合には、民間金融機関の教育ローンなど、異なる資金調達方法との組み合わせも検討するべきでしょう。
奨学金を給付する主体が、申込~審査、そして貸付・給付・返還(返済)に至るまでの一連の流れを、仕組みとして定めたものが「奨学金制度」です。
当然ながら奨学金制度ごとに、申込の期間や条件・申請手続や審査手続、そして無利子か有利子かといった貸付(返済)条件などは、かなり異なっています。
また奨学金のなかには他制度との併用が認められないものもあり、それにより資金計画において後々の制約が生じるケースもあります。
したがって、奨学金制度ごとの事前比較、とりわけ申請資格・貸付条件・返済方法などに関わる比較・検討は、絶対に必要です。
一定条件にもとづいて、返済の免除・減免規定を設けている奨学金もありますので、条件にあてはまる場合は、その活用を積極的に考えるべきです。
なお貸付(支給)金額がいくらかについては、高校・専門学校・短大・大学・大学院、あるいは国公立・私立といった区分、また自宅通学か自宅外通学かなどによっても、金額設定が細かく分かれているのが普通です。