国は高校進学について「高等学校等就学費(就学支援金)」を設けています。
2010年度から導入され、「低所得者の公立高校授業料の実質無料化」としても知られています。
高等学校等就学費(就学支援金)の返済は不要ですが、2014年度から所得制限が設けられており、生活保護世帯においても申請が必要となっています。
高等学校等就学支援金(新制度)Q&A (文部科学省)
生活保護ではこの「高等学校就学費」は「生業扶助」に分類されており、高校進学・就学の費用として支給されます。小中学校の義務教育にかかる「教育扶助」による給付ではないことに注意して下さい。
生活保護世帯で子供の教育費が苦しい。使える奨学金はないだろうか。
なお高校の修学旅行費はこの「高等学校就学費」には含まれないため(中学校の修学旅行費は「就学援助」から支給されます)、本人のアルバイトや親族の貸付等でまかなう必要があります(生活保護の収入認定からは除外されます)。
国から自治体に直接交付され、保護者が現金で受け取ったりすることはありません。給付額は国立・公立か私立か、また自治体によっても異なる部分がありますが、基本的な給付水準は「公立高校における所要額」を目安として決められています(標準額は月額9,900円[全日制]です)。
私立高校に通う場合は、支給額の積み増し(標準額の2倍の範囲内で決定)こそあるものの、この高等学校等就学費(就学支援金)だけでまかなうことは、現実的にまず難しいでしょう。したがって不足分をカバーするためには、他の手段を講じる必要があります。
公的なものとしては自治体(都道府県・市町村)で行っている、以下の「高校生等奨学給付金制度」、あるいは生活福祉資金(教育支援資金)・ひとり親家庭への福祉資金貸付・公益財団による奨学金事業などがあります。
返済義務や利子の有無等の制度条件についてもそれぞれ異なるため、申請前に確認が必要です。自治体や在学中の中学校の担当窓口にも相談してみるとよいでしょう。
生活福祉資金(全国社会福祉協議会)
母子父子寡婦福祉資金貸付金(全国母子寡婦福祉団体協議会)
東京都育英資金貸付事業(東京都私学財団)
奨学金事業(大阪府育英会)(大阪府育英会)
私立高等学校入学資金貸付制度について(北海道高等学校奨学会)
上述の「高校生等奨学給付金制度」は、2014年度からスタートしています。
国の「高等学校等就学費(就学支援金)」と名前が似ていますが、こちらは自治体が行う高校生の奨学事業に対し、国がその軽費の一部を補助するものです。こちらも生活保護世帯は返済不要(収入認定除外=収入扱いとならない)となります。
高校生等奨学給付金(文部科学省)
問い合わせ先は、「保護者(親権者)が住んでいる」自治体の窓口になります。子供の居住先が保護者と異なる場合、保護者が居住する都道府県の制度が適用されることに、注意が必要です。
高校生等奨学給付金のお問合せ先一覧(文部科学省)